Yumekoの花癒し

花との暮らし 花とポエム ショートエッセイ ほんわか日記 豊かな心よ花開け!

百合の花シベリア~心を美に触れさせて震わせて豊かな日々を~

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夏の陽の光を浴びて純白を際立たせているシベリアは我が家の自慢のユリで、一年のうちのこの開花までの日々をキュンキュンと胸を高鳴らせながら過ごすのが毎年恒例の愉しみになっています。

 

ところで…

 

「成熟した人」って、どんな人物でしょう?

 

礼儀正しく品行方正で人間性が完成された人、社会的な安定や成功を手に入れている人、仕事や趣味が充実していて満たされた日々を送っている人、円満な家庭を築き笑顔で幸せに暮らしている人、感情や情緒が安定的で穏やかに過ごしている人など様々な人物像が浮かんできます。

「成熟」は辞書によると「果物や穀物が十分に熟すること。人の心や身体などが十分に成長すること。その事をするのに最も適した時期に達すること。(デジタル大辞泉:小学館出典)」とあります。成熟とは植物の実り、人、時期のいずれにせよ時間の経過とプロセスが必要なもののようです。

人に関しては経験も成熟のための肥やしに違いありません。私達は一時間、一日、一月、一年といった時間の流れの中でありとあらゆる経験をしていきます。良い経験や上手くいかなかった経験、嬉しい出来事や悲しい出来事に反応して考え、感じ、感情を味わい、それらから何かを学び、これからに活かしていくことで人は成熟していくのでしょう。

 

そんな優等生のような答えもいいけれど、もっとシンプルに「成熟した人」になれる方法はないかしら? せっかくですから、明るい気持ちで楽しみながら。

 

私にとって「成熟した人」とは「審美眼を持つ人」。

成熟という言葉に「豊かさ」を思い浮かべるからです。

 

身の回りにはたくさんの美しいものがあふれかえっています。季節の草花、刻々と移り変わる空、オシャレに盛り付けられた食事、彩の美しい洋服、建築物のシルエットや自動車やバイクの車体の曲線美など、並べ上げたらきりがありません。

私たちがふとした時、その美しさに目や心が向いて「美しいなぁ」と感じるのは、その人が持つ内面の美しさと共鳴したから。美しいと感じた人そのものも美しいからです。

美しいと感じた心は震えて、豊かな気持ちがあふれ出します。美しさを感じ取る経験を重ねれば重ねるほど心は豊かになり、そして自分自身も美しいことに気が付いてゆくでしょう。

 

私の子供の頃の遊びといえば、オシロイバナで赤い色水やシロツメクサで花輪を作ったり、藤の葉で草笛を吹いていたものです。大人になってから住む家はいつでも庭か身近に緑豊かな環境がある場所を選び、仕事や買い物の往来はできるだけ草花を愛でられるルートを選んで歩きます。改めてこれまでを振り返ってみるといつも草花を感じながら過ごしていました。私、草花が好きだったんですね。

シベリアという名前の純白のユリは、今の住まいに転居して一番最初に植え付けた花です。黄緑色のつぼみが姿をあらわせば待ってました!と喜び、白に変化しながら大きくふくらむつぼみにいよいよかとトキメキ、ついに大きく花開いたシベリアをうっとりと眺めます。そして夜にはシベリアのそばに座り高貴な花の香りを心ゆくまで愉しむのです。シベリアの美とともに過ごす心豊かなひと時。

 

花に想いを傾け、美に共感する豊かさが

私を成熟へと送り出してくれています。