Yumekoの花癒し

花との暮らし 花とポエム ショートエッセイ ほんわか日記 豊かな心よ花開け!

勝負

私は女だから勝ち負けを意識する感覚があまり無いのですが、昔から「この人には敵わないなぁ」と感じる人がいます。どういうところが敵わないのかというと「人として敵わない」。まぁ、ざっくりとした表現ですが。

半世紀ほど生きてその人に会うまでそう思わせてくれる人は居なかったし今もその人以外には見当たらない。なので私にとって稀有な存在のその人。唯一無二の人。

 

敵わないなぁと感じても、だからと言ってその人に負けていいとは少しも思わない。勝ち負けは関係ないけれど不戦敗とか尻尾巻いて逃げるとか、そういうことはしたくない。なので私は頑張りました。

真剣な人を相手にするにはこちらも真剣でなければなりません。駆け引きなし、まんまの自分でぶつかって実際に何度も倒れたものです。途中で逃げかけても死ぬ気で戻ってきて本当に死にそうになりました。みっともない姿、散々さらしていたはずです。ずいぶん長いこと戦った。

 

こちらも必死でやり合いましたから相手方が負けたと言う時もありましたよ。でも私が勝ったんじゃないんです。相手が負けてくれてたの。私は勝ったと少しも思ってない。相手の懐の深さに完全に負けてた。

突っ張って、むくれて、怒って、へそ曲げて、知らんぷりして、文句言って、理屈で押し通してそれでも全然へこたれない。

 

完全に私の負け。

やっぱりあの人には敵わない。

一生、絶対敵わない。

今夜もその強さに触れて手紙読み読み泣いている。

 

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