Yumekoの花癒し

花との暮らし 花とポエム ショートエッセイ ほんわか日記 豊かな心よ花開け!

ひとつ

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真空の新月が夜な夜な満ち

日に日に気分は良くなっているよ

君はどうだい?

 

結局のところ僕は

ぶ厚い善人の皮を被った感情の猛獣だったんだ

いくら隠し通しても終いには皮が剥がれ落ちる

それが悪しきものであれ 愛であれ

無かったことにはならない

それが感情というものなんだね

 

ある時、僕はその猛獣を解き放ってしまった

君の良いところに充分に触れているのに

それはお互いの痛みになってしまったが

いくらもがいても外せなかった靄を

とりのぞいてくれたんだよ

 

ほら、月が満ちてゆく

澄んで凪いだ夜空に

 

真空の新月が夜な夜な満ち

日に日に気分は良くなっているよ

君はどうだい?

 

闇に落ちて力尽き 自分の弱さや

愛と優しさにはエネルギーが要ることを

思い知ったよ

君の強さと裏腹に弱い僕の

ほら、月が満ちてゆく

徐々に力を取り戻してる

君の靄を晴らすために

僕がするべき事を 僕がするべき事を

 

これはワガママな望みだけれど

僕が君に何も与えなかったようでいて

愛でなかったようでいて愛であったものに

少しだけ気付いてくれたら嬉しいな

君の突き放すような言葉の裏に

愛が隠れているさまにいつも

僕が気付いているように

 

支えたり 支えられたり

支えられたり 支えたり

 

真空の新月が夜な夜な満ち

日に日に気分は良くなっているよ

君はどうだい?

 

この世は同じでありながら同じでないもので

満ち溢れている

同じ人間でありながら男と女が違うように

一枚のコインの表裏の絵柄が違うように

 

互いの違いを擦り合わせながら

心の磨き粉をサラサラと紡ぎ合える相手が

いるのは崇高な幸福

心を磨くために傷付けてしまっても

次第にピカピカと輝き合い

互いの粉は混ざり合ってひとつになる

君と僕がひとつなように