空を見上げる視線を外したほんのひと時で
一面のうろこ雲が膨れ羊雲に変容した
あのおどろきの体験から、
嗚呼、想いも感情も
刻々変わっていくものなのですねと
細やかに日記をつけるようになりました。
それから十数年が経って
その膨大な量の記録を読み返してみると
あの頃の一日、一日ごとの出来事や想い
人々との関わり合い、それぞれの思惑、
理解に努めても理解し切れていなかった事
良かれと思っていたのにそうではなかった事
それらの何やかにやらが
当時とは違う受け止め方で
目の前に現れてくるのです。
辛くなって読み解くのを中断したりもしますが
何とか、それらと向き合って
何とか、
何とか、
何とか、何かを見つけて
何とか、どこかへ突き抜けて行こう
膨大な記録を目の前に広げ
これを続けてきたことの幸運に安堵しながら
もがいているのです。