Yumekoの花癒し

花との暮らし 花とポエム ショートエッセイ ほんわか日記 豊かな心よ花開け!

歌とダンスと

皿洗いの少年の日々刻々と変化し伸び行く

無限の伸びしろに感化され

老婆も歌を謳ってみてはどうかと

思うようになっていきました

 

試しにロッキングチェアーの揺れに合わせ

ささやかに歌い

やがて背もたれから体を起こして

声を膨らませ

いつしかロッキングチェアーから立ち上がって

皿洗いの少年のように

 

歌は、この老婆を

不安と可能性の間を行き来する堂々巡りから

解放してくれるのではないかしら

若かりし少女の心へと

引き戻してくれるのではないかしら

 

歌は、

歌は、

 

穏やかに歌い合ったなら

少年の悲しみの旋律を

忘却の彼方へと連れ行くことが出来るかしら

 

嗚呼、

緩やかに手を引いて

 

もつれそうな脚で

年老いた老婆がどこまでステップを踏めるか

不安だけれど

皿洗いの少年に

孤独のダンスを踊らせたくはないのですから

 

 

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