ささやかな歌を謳ってみた老婆の心に
少しずつ色とリズムが戻り始めているようで
メガネを新調し直したかのように
老婆にとっての物事の見え方が
変化していっています
これまでの間夢について
毎日のように語り合ってきましたね。
その全てが大事で必要な事でしたが
夢を追うのにあまりにも必死で
ばあばは一番大切なものを見失っていたと
やっと気が付きましたよ。
それは「信頼関係」
一歩踏み出す足は
「信頼関係」という大地があってこそ
歩を進められるのですよね。
大地があって、
それから全てが始まるのでしょう。
ばあばは夢と言うとついフワフワと
空や雲のようなものばかり
眺めてしまっていました。
ばあばの謳う歌が日々少しずつでも
大地を踏み固めていきますように。
老婆がそう手紙にしたためている頃に届いた
少年からの手紙にも「信頼関係」という言葉が
あったのを見つけて、
老婆は涙ぐんだのでした。